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Hayashi Lab.

研究内容の紹介/About Our Reserch

本研究室の大きなミッションは,人間の心の働きを認知科学的に検討することと,その知見を応用して人間と情報システムのインタフェースのデザインを考えることです.ここでの研究アプローチは,(1)人の認知・行動を実験室で実験し,(2)その知見をコンピュータ上でも動作するようにモデル化します.そして,(3)モデルをベースにして情報システムを開発し,その利用と評価を通じてシステムのデザインや人間とのインタフェースを総合的に検討しています.これまで独自に開発してきた情報システムには,擬人化会話エージェントと呼ばれる人工知能のチャットシステムやwebベースの学習支援システムなどがあります.また,分析方法も多様であり,言語(発話)データや視線の分析(眼球運動測定),感情状態の分析(表情,脈拍,瞳孔),計算機シミュレーションを行ってきました. 以下に研究室で行ってきた代表的な研究を紹介します.

 

1. 協同問題解決/Collaboration              

「3人よれば文殊の知恵」という諺があるように,人々が集まって協同作業を行うことで従来は困難だった課題を克服したり,新たな知識を創造する可能性までも期待できます.しかしながら,このような活動で本当にいいパフォーマンスを得るには,良いインタラクションを行う必要があります.それでは,どのようなインタラクションが良いのでしょうか.認知科学の領域では,人間の協同問題解決(Collaboration)に関する膨大な研究が行われてきており,現場観察や心理実験,計算機シミュレーションなど様々な手法で研究が蓄積されています. 本研究では,人間同士の協同問題解決における効果的なインタラクションについて,実験室実験によって検討しております.さらに,これらの知見に基づいて人間の発話行動に基づいて協同問題解決を行うコンピュータのプログラムの開発も行っております.


・異なる視点に基づく協同問題解決/Collaborative problem solving based on different perspectives link1 link2 link3
・人工知能を用いた実験装置の開発/Experimental tools using artificial inteligence link

2. 学習支援システム/Learning Support system      

自分が行った行動を振り返ることによって,これまで見えていなかった側面に対して新たな気付きや発見を生まれることがあります.このように自己を再評価する心的活動は,メタ認知と呼ばれており,日常場面における様々な場面において効果があるとされています.研究室では,教育場面(協同学習)に着目し,人工知能の技術を用いてメタ認知を支援する方法や利用効果について研究しています.このような人間同士で行っている活動を学習システムにより支援できれば,認知理論に即した効果的な学習方法を提案することが期待できます.


・説明活動を通じた学習支援/Learning support by making explanations link1 link2 link3

3. HAI(Human-Agent-Interaction)           

情報通信技術の発達により,掃除ロボットからアンドロイドまで,我々の日常生活には様々な擬人化された人工物が登場してきています.その応用分野は医療や教育,エンターテイメントまで幅広い.人間と協調的にインタラクションしながら自律的に振舞うことのできる人工物は,エージェントと呼ばれており,その研究分野としてHuman Agent Interaction(HAI)があります.HAIの研究課題としては,エージェントのデザインや設計,どういう時に人は協調的になるのか,関係性を構築するのか,作業の分担を行えるのかといった点が挙げられます.また,これらの検討を通じて,人間同士がどのようにコミュニケーションを行っているのか,その基礎的なプロセスに関しても重要な手がかりを得ることができます.


・HAIにおけるエージェントの認知/Perception of agents in HAI link1 link2

4. 創造性/Creativity                  

人間の創造性について,これまで科学者や芸術家が関心を寄せることが多く,中には創造性が神秘的なものであるという考えも存在した.しかし,近年では認知科学をはじめ心理学や教育学などの分野で実証的なアプローチによってそのメカニズムを解明しようとする研究が多く蓄積されてきています.また,情報工学の分野では,創造的な活動を支援するための様々なシステムの開発までも行われています.我々は,情報システムを用いて創造的なアイディアをどのように促進できるのかに関して,実験的な検討を進めています.


・創造的認知を促進するためのインタフェース/Inteface design of computers for facilitating creative cognition link

5. Web空間での認知行動/Cognitive behaviors on the web

近年のWeb技術には,蓄積されたデータをユーザにとって意味があるようにデータ変換や情報の付与を行う技術が急速に進んでいます(semantic Web).他ユーザのレビューを参照したり,評価を与えたりすることで,商品の選択や購買の意思決定の補助を行う情報推薦システムの開発が行われており,人がどのように情報を認知し,意思決定を行っているのかを検討することはマーケティングをはじめ多様な分野から注目されております.本研究では,口コミ情報のある情報推薦システムの利用において,他ユーザからのレビューに対してどのように信頼を構築し,それをもとに意思決定を行っているのかを検討しています.これまで行われた研究として,(1)ベイズの確率モデルを用いた情報行動のモデルのシミュレーションや(2)口コミ情報の種類と信頼構築に関する心理実験などがあります.


・信頼形成のシミュレーション研究/Simulation on trust development in a social networklink
・web上の口コミが商品評価と信頼に与える影響/Trust building analysis on eWOM(electronic word of mouth) link

6. 法と人工知能/Law and Artificial Intelligence     

本研究は, 2016年から立命館大学人間科学研究所で研究が開始されている新しいプロジェクトです. 人工知能の分野では,エキスパートシステムをはじめ,事例ベースで推論を行うアルゴリズムの有用性が明らかにされています. その手法は,医療診断を始めとする様々な分野で利用実績が認められており,裁判の場面でも意思決定のための判断材料として利用することの有用性も期待されています.その一方で,裁判の場面においては人間が人工知能に対して提示される判断内容に対して,それをどのように受け入れるのかという心理的な問題を考えなくてはなりません.人間がこのような場面において,人工知能のシステムが提示する情報を意思決定の判断材料とすることは可能なのでしょうか.本研究では,これらの点についての実験心理学的な手法による検討を行い,人工知能の司法判断への応用の可能性を目指します.


・法と人工知能プロジェクト/Link to the new project link
・意思決定時における人工知能の利用/Using AI for decision making at a court scenelink





Cognitive Science &

Human Computer Interaction


College of Comprehensive Psychology, 

Ritsumeikan University
2-150 Iwakura-cho, Ibaraki, Osaka, 567-8570, Japan